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18 暖冬

07年03月

めっきり春らしくなってまいりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。今年はエルニーニョ現象と地球温暖化のため歴史的な暖冬だったようです。東京にはついに雪が降りませんでしたね。今年の桜の開花もきっと早いことでしょう。クリニックの近くの伊勢原の桜は本当に見事です。皆さまも機会がありましたら、是非ごらんになってみてください。そのすごさにびっくりされることでしょう。

病の恐ろしさ

昨年12月と今年2月、改めて病の恐ろしさを思いしらされたことがありました。一つは気管支喘息です。30才後半の女性が喘息で当院に不定期で通院されていました。12月にやや喘息の状態が不安定で短期間に何度が通院されている時、「少し息苦しい、胸が痛い」の症状がありましたが、呼吸状態は悪くなく、聴診器からも呼吸音は悪くありませんでした。けれど念のため胸のレントゲンを撮り結果は正常範囲。なのでちゃんと薬を服用し、吸入ステロイドを必ず行うこと、そしてもし夜間に苦しくなった時は埼玉医大を受診するよう説明しました。

夜間具合が悪くなった患者さんは、埼玉医大の時間外外来を受診され、そして吸入の治療中に急変。呼吸停止をおこされ、人工呼吸器をつけ、しばらくは厳しい状態だったそうです。しかし呼吸器病センターの先生方の治療により切り抜け、今年になって退院されたと報告を受けました。医大受診時も急変するような状態ではなかったので、そのあまりの急変のしかたに担当医も本当に驚かれたとのことでした。診断も喘息発作のみで、肺炎などの感染症も見当たらなかったそうです。喘息も時として怖い病気になることを私自身改めて認識しました。

そしてもう一つは、今、世の中を騒がせているインフルエンザ脳症です。1才のお子さんが夜間より39度前後の発熱があり来院されました。特に鼻水、咳などの風邪様症状もなかったので、解熱用の坐薬の処方せんだけお出しし、様子を見ましょうと説明しました。発熱後12時間を経過しないと、インフルエンザの検査もできません。診察が終わり、受付で会計をされている最中にお子さんがけいれん発作を起こし、処置室のベッドに運びこまれました。

けいれん用の坐薬を挿入、しばらく様子をみましたが、けいれん発作はおさまらず、埼玉医大へ連絡し、救急車をお願いしたのですが、その間にみるみるうちにチアノーゼを起こし、呼吸停止をきたしたので、心臓マッサージを開始しました。小さな体への心臓マッサージは緊張しました。しかしまもなく自発呼吸がみられるようになったので本当にほっとしました。

私とお母様、看護師が救急車に同乗し、埼玉医大総合医療センター小児科へお世話になりました。後日、インフルエンザの検査にて陽性。また脳波等からインフルエンザ脳症と診断がついたと医大の先生から報告を頂きました。今は退院され本当によかったと胸をなでおろしています。

この2つの件を通し、病気に対して真摯に取り組まねばと心を新たにしたところです。

インフルエンザと異常行動

ここ最近、インフルエンザ治療薬タミフルと異常行動がマスコミで盛んに取り上げられています。異常行動の大半が発熱してから2日以内が多く、また横浜市大でとられた調査結果からは、タミフル服用グループと非服用グループとでは、異常行動の発症率に有意義なしとの結果がでています。ただ、いずれにしましても、この期間は患者さまから目を離されないことが肝要です。年齢は9才~17才に集中しています。

異常行動で多いのは、
1.突然大声で歌いだす。うわ事を言う。(12.8%)
2.おびえ、恐怖の表情(8.7%)
3.理由なく怒りだす。泣き出す。にやりと笑う。(8.5%)
4.映像的な幻視・幻覚の表現(5.9%)
5.意識の消失(1.5%)
6.自分の指を食べ物のように噛む。(0.7%)

ここにきてインフルエンザの患者さんが増えています。例年に比べると、とても遅い時期です。またウイルス性胃腸炎(ノロなど)も少なくありません。お気をつけください。

埼玉医科大学国際医療センター

2007年4月開院予定の埼玉医大国際医療センター(日高市)を見に行ってきました。車で走っていますと、武蔵の大地に立派なビル群が目に飛び込んできました

この医療センターは癌、心臓病に対応する高度専門特殊医療及び救命救急医療の提供を目的として計画されています。国際医療センターの名称の意味は、世界の第一級のメディカルセンターとして高度医療を提供しようという精神が基本にあり、また外国からの患者さんの受け入れや医師・看護師などのトレーニング、共同研究のための国際交通を前提として病院の運営を行うとのことです。

これだけ素晴らしい医療現場で仕事をされるのも大変なことと思いますが、ちょっぴり羨ましさも!?私たち開業医にとっては、大変頼もしい限りのセンターです。

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