41 秋の深まり


すっかり涼しくなり、秋風の吹く季節となりましたが、皆様いかがお過ごしですか。10月初めより北アルプス・立山連峰を貫く立山黒部アルペンルートで紅葉が始まり、ナナカマドやダケカンバが朱や黄色に色づき、緑の中に浮かび上がってきているとのこと。関東山地の尾根伝いでも、10月半ばを過ぎ、山は粧い始めています。ここ伊勢原でも、小畔川の土手沿いにコスモスが咲き乱れ、桜並木はオレンジや黄色に染まっています。

花火大会

9月の初め、たまたまインターネットで第1回目の花火大会が坂戸で開催されることをキャッチ!今年は震災の影響で花火大会が数多く中止になっていたので、決行されるとわかりちょっとワクワク。さっそく行ってみました(*^▽^*)

花火の打ち上げ場所は、坂戸市民運動公園(石井)。 お昼から夕方6時まではよさこい踊りが開催され、その後6時30分から8時まで、およそ2000発の花火が坂戸の夜空に舞うとのこと。きっと運動公園周辺は混雑しているだろうと思いつつ、打ち上げ始められた花火を横目に車を走らせると、見晴しのいい農道脇に。誘導する係の人もいて、そこにはたくさんの車がすでに数珠つながりで駐車し、美しく舞う花火に大勢の人々が歓声をあげていました。運よくその一角に停車でき、しばし赤・黄・オレンジ・緑と色鮮やかに輝く花火に見とれました。それは、誰もがいやなことを忘れて花火だけを目で追う瞬間だったと思います。

花火には、亡くなった方々への鎮魂という意味合いもあると聞いたことがあります。そもそも夏の風物詩である花火には、魂をなぐさめるためお盆の時期に打ち上げられたのが始まりだとか。首都圏では、計画停電の可能性も高かったので、中止となった所が全国的にみても多かったのは致しかたないことですが、来年は空いっぱいにたくさんの美しい花火が舞うことを願ってやみません。

新入りくんのハリセンボン

ミナミハコフグの子どもたちがにぎやかに泳ぎ遊んでいる「フグパラダイズ」の中に、同じフグの仲間・ハリセンボンをメンバーの一員として入れてみたらというリクエストがあり、まず最初に体長3センチぐらいの元気のいいハリセンボンを一匹 、次に体長1センチ程度のハリセンボンをもう一匹入れてみました。二匹ともすくすくと成長し、現在、3センチ→5センチ、1センチ→3センチと大きくなりました。

皆さん、ハリセンボンという魚をご存じですか! ご存知の方は、そのハリセンボンの姿は、いつも膨らんでいるものと思っていませんか! 実は今回その姿を見るまで、私はいつでもハリセンボンは膨らんで針をとがらせた状態で泳いでいるものだと思っていました。なのでハリセンボンを見た第一印象は、「地味ィイイ~~」と思ってしまいました。これがハリセンボン???と違和感さえありました。
ハリセンボンは普段、棘(とげ・針)を後ろに向けて体にぴったりとたたんで泳いでいるのですが、相手を威嚇したい時だけ、体を球形に膨らませ、体全体に棘をたてるのです。これは胃の特殊な弁(可変式の一方向弁)によって、海水や空気を取り込み、瞬時に膨らみ棘をたてるのです。つまり、これがハリセンボンの命を守る武器なのです。

そんな武器見たさに、ハリセンボンの了解を得て(ごめんなさい)、第1診察室の水槽で生活している二匹に実験をしてみました。
ハリセンボンは慣れてくると、人が水槽のそばに寄ると「えさねだり」なのか「人なつっこい」のか近寄ってくるので、そこ(水槽の外側)を指でつついてみました。結果>>効果なし。熱帯魚屋さんから、「水から上げるととがりますよ。」とアドバイスを頂き、小さな網ですくい、海水からあげてみると、たちまち膨らみだし、棘も立ててきました。

いっぱいいっぱい膨らんだ状態で海水に戻すと、これぞハリセンボンの勇姿たる、堂々とした姿で泳いでくれました。棘はさわっても痛くなく、毒もありません。私のいたずら心を刺激したハリセンボン。その体のいろいろな部分を優しくちょこっと刺激してみることにしました。そして大発見!(大げさ・笑) 目と目の間の額?鼻?あたりをさわると棘が出しました!! 平穏な時間を過ごしていたハリセンボンくんに陳謝しつつ、水槽に戻しました。
ちなみに、ハリセンボンの棘の数は、なんと平均353本もあるそうです。『所さんの目がテン!』という番組で、実際に針をかぞえてみたんだとか。みんなハリセンボンの不思議に興味があるのですね。

第1診察室の水槽では、ミナミちゃんも元気にすくすく育ち、クリニックにやって来た頃の3倍位の大きさとなり、みんなの人気者になっています。現在、ミナミハコフグ(ミナミちゃんも含め)8匹、ハリセンボン2匹とカクレクマノミ、ハタタテハゼ、ナンヨウハギら熱帯魚が、のんびりと元気に泳いでいます♪


ミナミちゃん

最近最も感動した事!

それは映画『はやぶさ HAYABUSA』です。7年間で60億キロ。決してあきらめることなくミッションを支え、見守り続けた人々と、ボロボロになりながらもその期待に応え燃え尽きたはやぶさの物語です。


[c]2011「はやぶさ/HAYABUSA」フィルムパートナーズ

主人公の水沢恵(竹内結子)は、実在の何人かを混ぜて合わせて描いた架空の人物だそうですが、ほぼ実話に沿って描かれた映画の感動は半端ではありませんでした。はやぶさのプロジェクトマネージャーの川口淳一郎教授をモデルにした川渕幸一の役を演じた佐野史郎さんは、ご本人とそっくり!! 西田敏行さんもご本人によく似ていました。なんでも監督は、ご本人の完全コピーを目指し、教授の立ち居振る舞いなど、小さなしぐさまでを研究して演出されたそうです。
絶体絶命のピンチを何度も乗り越え、昨年6月に奇跡の帰還を果たした小惑星探査機はやぶさ。そして、世界で初めて、月以外の天体からのサンプル採取を成し遂げたはやぶさ。はやぶさの開発から始まった途方もない苦労の連続は、プロジェクトに関わった人々を強く大きくしていきました。大きなことを成し遂げるのに一番大事なものは、折れない心だと知りました。

そんなJAXA(宇宙航空研究開発機構)のいろいろな分野の科学者たちがぶつかり合いながらも、協力しあい、はやぶさをわが子のように見守るプロジェクトの舞台裏は必見です。特にイトカワでのミッションや大気圏突入前、最後の力を振り絞って写した地球の写真、そしてカプセルを切り離し、二つの光の玉となり大気圏に突入し、流れ星のように燃え尽きるはやぶさの姿は、涙なくして観ていられませんでした。
映画『はやぶさ HAYABUSA』は、シネプレックスわかばでは11月4日(金)まで上映される予定です。

また、今年の春にプラネタリウム用に製作されたものを、CGドキュメンタリー映画に作り直した『はやぶさ HAYABUSA BACK TO THE EARTH』を見逃してしまったのですが、なんと所沢航空記念公園内にある所沢航空発祥記念館で12月まで週末と祝日に一日1回上映されていると知り、是非観てみたいと思いました。

所沢航空発祥記念館のウェブサイト

来年には、渡辺謙主演の『はやぶさ 遥かなる帰還』(2012年2月11日公開予定)、藤原竜也主演の3D映画『おかえり、はやぶさ』(2012年3月10日公開予定)とまだまだはやぶさフィーバーは続きそうですね。

朝夕と日中の寒暖の差が激しく、体調を崩される方を多くおみうけします。そしてインフルエンザの患者さんもだんだんと多くなってきました。今日、26日の夕方、関東地方で木枯らし1号が吹き、少し早い冬の使者の到来となりました。過ごしやすかった季節も、これから日一日と冬へと向かっています。抵抗力が落ちた時に病気に感染しやすくなりますので、体調には充分気を付けてくださいね!!